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【書評】僕は君たちに武器を配りたい・瀧本哲史【新社会人向け】

こんにちは、えもんです。

今回は、瀧本哲史さんの『僕は君たちに武器を配りたい』の書評記事です。

どのような本?

これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。20代が生き残るための思考法。

これから社会に飛び立つ学生、もしくは飛び立ったばかりの新社会人におすすめの本です。2011年に発売された本ですが、今でも通用する考え方が詰まっています。

大企業が一瞬にして経営危機に陥るような不確実、不透明な現代を生きるために必要な「武器」について本書の中で紹介されています。

著者の瀧本哲史さんは東京大学法学部を卒業した後、大学院の助手を経てマッキンゼー・アンド・カンパニーコンサルティング業務を行っていた超エリートです。

独立してからは、投資家としての活動や大学でも起業についての講義もしており、幅広く活躍されていた方でした。

読もうと思った理由

この本の著者である瀧本哲史さんの訃報を目にしたのがきっかけです。

著者の本を読む機会が多く、個人的に好きな著者だったのですが、47歳という若さで亡くなられたのが悔やまれます。

本書は4年前に一度読んではいたのですが、当時は学生で社会について何も知らない状態で読んでいたため、読んでいても分からない部分、実感が湧かない部分が多くありました。

社会人になって4年の月日が経ち、社会のことも少しはわかるようになってきた今読むべきなのかと思い再読しました。

感想&学び

本書を読んで印象に残った部分を紹介します。

スペシャリティ」だけが生き残れる

著者は本書の中で、これからの日本では単なる労働力として働く限り、人材コモディティ化していくことは避けられないと述べています。

コモディティ」とは「スペックが明確に数字や言葉で定義できるもの」を指します。

例えば「TOEIC800以上」や「情報処理安全確保支援士を所持」などがコモディティとして挙げられます。

労働市場ではこのようなコモディティ化された指標で募集をかけます。そこに集まる人達は全員同じ資格、点数を持った人材となり、差を付けることが難しくなります。

差がない人材の中から選ぶ場合、「コストが安い方」を選ぶことになるでしょう。

 

 このような事が繰り返されるうちにかつてハイスペックとされていた人材もコモディティ化し、安い給料で働かせられるようになります。

このように現代社会は高学歴ワーキングプアを自然と生み出す仕組みになっているのです。

 

では、私たち若い世代はどうすれば良いのでしょうか。

著者はスペシャリティになれ」と説いています。本書では最初から最後まで一貫してこのメッセージを発信しています。

 

もう一度言います。

本書で伝えたい事は「生き残りたかったらスペシャリティになれ」です。

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 スペシャリティとは専門家のことでは無く、「代え難い唯一無二の存在」ということです。

 

自分の業務を他人に説明してイメージできるか聞いてみてください。

他人がイメージできるということは、その業務はコモディティ化しています。

アルバイトの代表格であるコンビニの店員はイメージできますよね。

これは多くの人が業務遂行可能なレベルまで業務プロセスを簡易にしているからです。

「代え難い唯一無二の存在」ではありません。

 

逆にイメージできない業務はコモディティ化されていない可能性が高いです。

その業務を遂行する人にしかわからない暗黙知が存在しているため、イメージできないのです。

余談ですが、サラリーマンとして働いていると、この暗黙知がまるで悪のように語られます。企業視点に立つとこの暗黙知が一般化できれば、よりコストのかからない人材にやってもらうことができますもんね。

 

「代え難い唯一無二の存在」になるにはどうすればよいか、本書では、今後生き残る4つのタイプとして紹介されています。

サラリーマンとはリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方

自分自身の人生は、自分以外の誰にも生きることはできない。自分でリスクをとって失敗したとしても、他人の言いなりになって知らぬ間にリスクを背負わされて生きるよりは、100倍マシな人生だと考える。

世間一般ではサラリーマン=安定というイメージですが、本書ではハイリスクな生き方として紹介されています。

サラリーマンの業務は標準化されており、組織で生産性を向上させる。企業からするとスケールを活かした手段であるが、個々の能力はその企業の方向性に依存し、かつコモディティ化します。

自分の人生を企業に捧げてしまうとコモディティ化し、代えのきく存在になってしまいます。サラリーマンとして働くことを否定していませんが、自分を一つの商品として捉え、個としての価値を高めていく必要があるということです。

まとめ

本書の名前は「僕は君たちに武器を【配りたい】」です。【配ろう】ではないのです。

本書を読んでもこの不確実な時代を生き抜く「武器」を手に入れる事はできません。しかし、若者が戦わなければならない相手。そして、それに対抗できる「武器」がどのようなものであるか。それがなぜ必要であるかを知ることができます。

本書を読むことで、少なからず自分のキャリアや今後について考えるきっかけにはなります。その小さなきっかけを無駄しないように行動に移す。

僕自身はこの一連の思考が「武器」の正体なのかなと思いました。